初めての構音訓練で何をしたらいい?若手小児STが押さえておきたい5つのステップ
「構音訓練を担当してください」と言われたけれど、
何から始めたらいいかわからない。
- 「サ行が言えないなら、サ行の練習をすればいいの?」
- 「舌の運動から始める?それとも単音?単語から?」
- 「そもそも、ちゃんと音を聞き取れるかな……」
初めて構音訓練を担当すると、こんなふうに不安になることもあるのではないでしょうか。
私自身も、初めて構音訓練を担当したときは
「これで合っているのかな?」とドキドキしていました。
構音訓練は、いきなり練習を始めるのではなく、
まず「その子がどんな構音の誤りをしているのかを知ること」から始まります。
この記事では、私自身が構音訓練を担当する中で意識している、評価から訓練までの基本的な流れを紹介します。
まずは「何の音が言えないのか」を確認
- 「サ行がタ行になっています」
- 「カ行がタ行になっています」
と言われても……
実際には、会ってみないとわからないことがたくさんあります。
- サ行だけでなく、他の音にも誤りがある
- 「シ」「キ」など特定の音だけに課題がある
- 単語では正しく言えていても、会話になると誤りが出る
- 構音だけでなく、言語発達など別の側面も確認する必要がある
「だから、まずは“何ができていて、何が難しいのか”を確認する」
職場に構音検査がある場合は、検査を活用しながら、どの音・どの位置に課題があるのかを整理していきます。
「どう間違えているか」を整理する
小児の構音訓練では、カ行、ガ行、サ行、ザ行、シャ行、ラ行などの音に課題があるケースに出会うことがあります。
また、置換・省略・歪みなど、誤り方もさまざまです。
さらに、側音化構音のように、単純な置換とは違った特徴を示す場合もあります。
「ちゃんと聞き取れるか不安……」
「一回で正確に聞き取らないといけないの?」
初めて構音訓練を担当すると、そう感じる方もいるかもしれません。
私自身も、初めての頃は「今の音は何だったんだろう?」とドキドキしていました。
どうしても聞き取れなかったときには、「もう一回言ってくれる?」と聞き返すこともあります。
でも、何度も子どもの発音を聞いているうちに、少しずつ「この子はこの音をこう誤っているんだな」と耳が慣れてくることがあります。
最初から完璧に聞き取れなくても大丈夫。
検査結果や普段の発話も合わせながら、
少しずつその子の構音の特徴をつかんでいけばいいと思います。
どの音から練習する?
誤り音がカ行もサ行もラ行も……と複数あったとしても、すべてを一度に練習するわけではありません。
- その子の発達段階や誤りの特徴
- 今後の見通しなどを考えながら
優先順位をつけて目標音を決めていきます。
構音検査の時は置換や省略されていたけれど、時間が経つときれいに正音が出ていることもあります。
その場合は、すぐに次の音へ進むこともあれば、家庭で少し意識してもらう「ホームワーク」として取り入れることもあります。
一方で、やっぱりまだ難しそうだと判断した場合には、再びその音を練習することもあります。
構音訓練は「一度決めたら、その音をずっと練習する」というものではなく、その子の状態を見ながら調整していくことが大切です。
実際の訓練はどう進める?
- 単音
- 無意味音節
- 単語
- 短文
- 会話
の順番に進めていきます。
「でも、ここも一直線ではありません」
基本的には、単音→無意味音節→単語→短文→会話というように、徐々に難易度を上げていきます。
ただし、「必ずこの順番で進める」というわけではありません。
子どもによっては、単音は出せるけれど単語になると難しいこともありますし、反対に、単語の中では言えるのに会話になると誤りが増えることもあります。
そのため、その子が今どの段階なら正しく言えるのかを確認しながら、少しずつ難易度を上げていきます。
おすすめの書籍
私はこちらの書籍の方法をベースにしながら、実際の訓練を進めていきました。
具体的な音の出し方や練習の進め方が説明されていて、初めて構音訓練を担当するSTにも参考になる一冊だと思います。
私自身もまずはこの方法をベースにして、うまくいかないときには別の方法を調べたり、他の書籍を参考にしたりしながら進めています。
構音訓練、子どもがやりたがらないときは?
構音訓練は、大人が思っている以上に子どもにとって難しいことがあります。
- 「何回も同じ音を練習するのは嫌」
- 「うまく言えないところを何度も指摘されるのは嫌」
そんな気持ちになる子どももいます。
そのため、ただ正しい音を繰り返し練習するだけではなく
- 遊びやゲームを取り入れたり
- 本人の好きなものを教材にしたり
しながら進めることも大切です。
また、
- 「今日は何をする?」と子どもに聞いてみたり
- 「これとこれならどっちがいい?」と選んでもらったり
するだけでも、訓練への参加のしやすさが変わることがあります。
「正しい音を出すこと」だけを目標にするのではなく、その子が「これならやってみようかな」と思える方法を一緒に探していく。
それも構音訓練の大切な部分だと、私は感じています。
まとめ:初めての構音訓練で押さえておきたい5つのステップ
初めて構音訓練を担当すると、「何から始めればいいんだろう?」と不安になると思います。
私も最初は、子どもの発音を聞き取ることからドキドキしていました。
でも、まずは一つずつ整理していけば大丈夫!
- ① どの音に課題があるのか確認する
- ② どのような誤り方をしているのか整理する
- ③ どの音から練習するのか考える
- ④ その子に合った方法で段階的に練習する
- ⑤ 子どものペースや反応を見ながら調整する
構音訓練は、決められた手順をそのまま進めればいいわけではありません。
「今日はここまでできた」
「この方法ならできた」
「この練習は嫌がった」
そんな一つひとつの反応を見ながら、その子に合った方法を探していくことが大切です。
最初から完璧な訓練をする必要はありません
「まずは子どもの発音をよく聞いて、今できていること・難しいことを知る」そこから少しずつ始めてみましょう。
この記事が、初めて構音訓練を担当するSTさんの「何から始めたらいいんだろう?」を少しでも減らすきっかけになれば嬉しいです。
一緒に少しずつ経験を積んでいきましょう♪
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